モーニングメニュー

日本の喫茶店やカフェで午前中に特別価格で提供される朝食向けのメニュー、いわゆる「モーニング」の習慣は1950年代に愛知県から始まったと言われています。ドリンク一杯の値段でトーストやゆで卵が添えられ、新鮮なサラダやソーセージに焼き立ての目玉焼き、季節のフルーツの盛合せなどもついたりするお得なサービスで、豪華な例ではビュッフェ形式の食べ放題モーニングを提供する店も登場しました。現在では喫茶店やカフェだけのサービスに留まらず、ホテルや全国チェーンの飲食店などでもモーニングの特別メニューを提供しており、モーニングは全国的な習慣になったといっても過言ではありません。

さて、今でこそ様々な店のそれぞれの形で提供されているモーニングですが、元々はコーヒーを売りにしている喫茶店やカフェから始まったサービスですから、コーヒーに合うトーストやクロワッサンなどが長い間モーニングメニューの定番でした。香ばしく焼きあがったパンとコーヒーの相性は言うまでもなく抜群です。

そんな中、最近人気を集めているのはモーニングメニューでパンケーキを食べられる店舗です。パンケーキ、またはホットケーキと聞くと甘いおやつをイメージする人が多いかもしれませんが、そもそも海外では朝食のメニューとしてパンケーキを食べる習慣があり、スクランブルエッグやベーコン、ポテトに煮豆、果物やジャムを添えることが多いようです。日本で人気があるのはホイップクリームやチョコレート、フルーツなどをふんだんに盛り付けた甘いパンケーキですが、最近では甘くないパンケーキに卵や魚の料理、野菜サラダなどを添えた食事系のメニューを扱う店も増えてきました。

小麦粉と卵、牛乳、砂糖とベーキングパウダーを混ぜて焼いたシンプルなパンケーキは、合わせる料理の国籍やジャンルを選びません。こんがり焼いたベーコン、バターたっぷりのオムレツを添えても、もちろん甘いメープルシロップや生クリームに新鮮なフルーツを添えても、決して他の素材の味の邪魔をせずに美味しくまとめて引き立たせてくれるでしょう。パンケーキは皿の中央に位置する主役でありながら主張は控えめに、そして脇役の美味しさを活かす存在でもあるのです。

喫茶店やカフェのモーニングサービスは日本独自の文化ですが、そこでコーヒーとパンケーキを楽しむ機会があれば、世界の各地で朝の食卓を彩る静かな主役について思いをはせてみるのもいいのではないでしょうか。